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「カフェ 余目製パン」は、その名の通り、地元余目を代表する老舗のパン屋さんです。世代を超えて愛されるその理由とは?店長の佐藤さんにお話を聞きました。
September 2, 2025
学生時代を思い出すように電車に乗って来たのは余目駅のすぐ目の前、庄内町新産業創造 館クラッセ。その施設内に店を構えるのが「カフェ 余目製パン」。
以前は余目中学校の向かい側にあり、余目町と立川町が合併し庄内町となる前の開店当時 から、町と共に時を重ねてきた老舗のパン屋さん。2014年にクラッセ内に移転してもなお、親子連れやご年配の方、そして学校帰りの学生まで、世代を超えた多くのお客さんから親しまれています。
私もお目当てのパンを買いにカフェ 余目製パンへ。
クラッセの正面入り口を潜ると、もうすでにお腹が空きそうなほど美味しそうなパンのかおりがただよいます。
優しい雰囲気で温かみのある店内には、さまざまな種類の惣菜パン や菓子パン、焼き菓子などが、キラキラして見えるほどずらっと並んでいます。
パンの種類が豊富なので目当てのパンを決めて来ても、ついあれもこれも「食べたい!」と目移りしてしまいます。
それもそのはず、カフェ 余目製パンではお客さんのニーズにあわせてスタッフが考案した商品がたくさんあり、今では40種類以上になったそう。
今回は、そんな地元で親しまれるパンを長年てがけられてきた店長の佐藤さんに、人気の 一品やパン作りのこだわりについてお聞きしました。
ほのかな甘みと酸味がクセになるマヨネーズサンド。社長さま曰く「気づいた時にはすで にマヨネーズサンドがあった」というほどその歴史は古く、昔からのファンも多いお店の ロングセラー商品です。
ふわっとした生地に、まろやかなマヨネーズの酸味とほんのりとした甘味が特徴の優しい味わいのパンで、小さなお子さんからご年配の方まで、幅広い年代から人気を集めています。「マヨネーズだけでは酸味が強くでてしまうので、食べやすくするために練乳を隠し味に使っているんです」と、私が気になっていたまろやかさのヒミツを話してくださる佐藤さん。長年愛されている味には、作り手の気遣いと工夫がされていました。
数あるパンの中でも、特におすすめしたい「推しパン」を聞いてみると、「私がぜひおすすめしたいのは天然酵母のぶどうパンですね。スッと体に馴染む味わいといいますか、何度食べても飽きない不思議な魅力があります」と佐藤さん。
種作りから焼き上がりまでほぼ一週間かけて作られ、レーズンとお水と少しのザラメで酵母を起こし、それを5~6日ほど発酵させてることによって、もちっとした歯ごたえと優 しく自然な甘みのある味に仕上がります。生地にはレーズンとくるみがたっぷり練り込まれ、味わいと食感の心地良いアクセントに。
「普段、お惣菜パンや菓子パンをよく買われている方からすると、ハードルが高いと思われているかもしれませんが、日常の中で気軽な感じで食べていただければ嬉しいですね」
私たちの暮らしに寄り添った美味しいパンを日々、手がけられている余目製パン。
パン作りのこだわりについてお聞きすると、「本当にその日その日、良いパンが焼けるようにと思いながら仕事をしています」との答えが。
佐藤さんにとって、日々のパン作りは発見がある仕事。
「毎日パン作りをしていても、じつは分からないことだらけなんです」と笑います。 「より美味しいパンを作るために、少し水を減らそうかなとか、温度変えてみようかなとか、ちょっとしたことなんですが、日々の積み重ねや工夫を大切にしていますね」
パンの仕上がりは季節や天候によっても左右されるもの。
条件が変わってくるからこそ「経験」や「感覚」が頼りになるのだとか。 「それがパン作りの大変なところで、同時に楽しいところでもありますね」と話してくれ ました。
カフェ 余目製パンのラインナップは、スタッフと意見を出し合いながら決めていき、その中でも新商品やお菓子系のアイデアは、スタッフとの日々のコミュニケーションから生まれているのだそうです。
佐藤さんとスタッフが「あれも作ってみたいね」と話すなかで、出されたいくつものアイ デアを試行錯誤を重ねて形にしたものが、新商品へとつながっています。
信頼できるスタッフたちだからこそ、佐藤さんは「安心して仕事を任せている」と言いま す。
特にお菓子系のものは10年近くパティシエの仕事をしてきたという2人のスタッフがすべて手掛けているとのこと。現在、店頭に並んでいるレモンケーキも「レモンケーキが食べてみたい」と佐藤さんが話したところ、試しにスタッフが作ってくれたのがきっかけ。味についても試作を重ねて余目製パンにぴったりだと思える、食べやすくて ちょっと懐かしい感じのレモンケーキに仕上げているそうです。
店頭でパンと一緒に販売されているドリップコーヒーは、庄内町狩川にある角蔵珈琲さんとのコラボ商品。塩パンや焼き菓子に合う味わいのコーヒーを角蔵珈琲さんが考案されており、ちょっと贅沢なパリジェンヌ気分で、お家でもゆっくりとパンと共にコーヒーをぜひペアリングしたいものです。
また、目指しているお店の姿についてたずねると「町の皆さんに美味しいと喜んでいただき、毎日のように足を運んでいただけるような、入りやすいお店になればいいなというのが一番大きいですね」と想いを聞かせてくれました。
たくさんの良いお話を聞かせてもらったからか、買ってきたパンをあらためて食べては、なんだかほっこりした気持ちになりました。
“まちのパン屋さん”というフレーズがしっくりくるカフェ 余目製パン。温かい優しさで包み込むように、地域との関わり、そしてスタッフとのコミュニケーションを大切にしているからこそ、美味しいパンが生まれ、みんなに愛されるお店になるのだと実感しました。
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