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昔も今も庄内に静かに息づく、奥深くて魅力的な「発酵」の世界にふれる

「庄内町は発酵のまち」そう語るのは庄内発酵堂のご店主・三木さん。発酵の持つ力と地域とのつながりについて、お話を聞きました。

February 6, 2026

前回の記事では「発酵プレートセット」と「発酵カレーセット」を味わい、その美味しさと、食後に「なんだか体の調子が良い!」と発酵への関心が高まったモッシェド編集部。そもそもどうして庄内で発酵のお店を始めたのか?さっそくお話を聞いてみることに。

庄内町は「発酵のまち」

おたずねしたのは店主の三木さん。

もともとは関西でインテリアや雑貨、料理などの演出を手掛けるスタイリストをされていました。ご主人の仕事の都合で庄内にやってきて、もう10年ほどになると言います。

お店では「透明な甘酒」など、珍しい発酵食品の販売も。

庄内に移住後もこれまでの経験をいかし、ふるさと納税の返礼品撮影のフードコーディネートなどに携わり、以前は食品会社のアドバイザーとしても活動されていた三木さん。そうした仕事のなかで、庄内柿を醸造させて作った「柿酢」に出会い、庄内地域と発酵との強い結びつきを感じたのだそうです。

発酵の魅力を知るきっかけとなった庄内柿100%の柿酢。
サワーで飲むとコクのある独特の風味が広がります。

「庄内といえば米どころで、水が良いのでお酒も美味しい。お酒づくりが盛んなので酒粕や麹も身近にあります。そして老舗のお醤油屋さんもありますし、ここは『発酵のまち』なのではないかって思ったんです」

古くから庄内地域に根付いている発酵の文化。三木さんは移住してきたからこそ、新鮮に感じられたのかもしれません。そんな経緯があり、地域の皆さんにあらためて発酵の奥深さを知って欲しい、その魅力を広めていきたいという思いから「庄内発酵堂」を始められたのだそうです。

麹の力で美味しく、体に優しい仕上がりに

庄内発酵堂が手がける料理において、一番の特徴は「麹」へのこだわり。

麹とは蒸したお米などに麹菌を加えることによってつくられ、「米麹」や「麦麹」、「大豆麹」などさまざまな種類があります。

これらの麹が発酵食品のもととなり、料理に用いることで食材の旨味を引き出したり、お肉などの食材を柔らかく仕上げたりすることができるのだそうです。

発酵食品が体に良いといわれる理由のひとつに、麹に含まれる酵素の働きがあります。人の体には、食べ物の消化吸収を助ける「消化酵素」や、新陳代謝に関わる「代謝酵素」が存在します。麹を使った発酵食品は、これらの酵素の働きによって、食材があらかじめ分解され、体に吸収されやすい状態になっているのが特徴です。そのため、日々の食事のなかで発酵食品を取り入れることは、体に負担をかけにくい食べ方のひとつとして注目されています。

塩麹で柔らかく仕上げた、定番人気の「発酵からあげ弁当」

「例えば、からあげを作るときはあらかじめ鶏肉を塩麹にじっくり漬けておくことで、酵素によってタンパク質が分解され、しっとり柔らかい食感になります。美味しいだけではなくて、体にすっと入るような仕上がりになるんです」

また、発酵食品には乳酸菌をはじめとした善玉菌も多く含まれていて、腸内環境を整えて免疫力を高めてくれる効果も期待できるのだとか。

発酵によって食材はぐっと美味しくなり、毎日の食事に取り入れやすくなるのも魅力です。

発酵食品を手軽にとるなら「甘酒」がおすすめ

そして、ランチセットについてくる「甘酒ショット」にもこだわりが。すっきりとした甘さながら、まるで日本酒のような旨味を感じる濃厚な味わいが感じられました。

「もちろんアルコールは入ってないですし、砂糖も不使用です。特別栽培米から仕上げた米麹100%で作りました。一般的に売られている甘酒は苦手という方でも、美味しいといって飲んでくれますね」

甘酒は保存期間を延ばすために火入れ(加熱処理)されたものも多いのですが、庄内発酵堂の甘酒は火入れをしない“生の甘酒”。そのため、加熱すると失われてしまう酵素がしっかりと保たれ、味わいもお米の美味しさがそのまま感じられるようなフレッシュな仕上がりになるのだとか。

「甘酒なら飲むことでダイレクトに酵素が摂れますので、発酵食品を手軽に取り入れたいという人におすすめですね」

最近では甘酒を使ったデザートにも力を入れているそうで、なかでもイチ推しは「甘酒のセミフレッド」

香ばしいキャラメルソースが甘酒の優しい風味にマッチし、コクがありながらもしつこくない、まろやかな口当たりがクセになります。

お手軽さが魅力の麹調味料

そして、お土産としても人気なのが、添加物は使わずに庄内産の米麹でつくられたお店オリジナルの「発酵旨味調味料」

定番の「醬油麴」「塩麹」のほか、「ニンニク麹」「マッシュルーム麹」など初めて見る珍しい麹も。

素材の味わいがぎゅっと凝縮されています。

それぞれの麹調味料について、おすすめの使い方を教えていただきました。

三木さんご自身が「こんな調味料が欲しい」と考えて生まれた一品。どの麹調味料も幅広い食材に使え、料理の味わいを整えてくれます。

加熱すると酵素の働きは少なくなりますが、発酵によって生まれた旨味成分が残り、腸内の善玉菌のエサになるといわれています。そのため火入れした発酵調味料も毎日の食事におすすめです。

「忙しいけれど健康には気を配りたい、食べ物や料理にはこだわりたいという人が、食卓で手軽に使える調味料があったらいいなと思って作りました。発酵食品の魅力をいろんな形で、身近に取り入れてもらいたいですね」

「発酵」は食材に新たな価値を与える技術

三木さんのお話を聞いていると、発酵の持つ可能性やその奥深さに気づかされます。

あらためて「発酵の魅力や面白さってどんなところにありますか」と質問してみました。

「目に見えない微生物の力を借りるところですね。麹菌はアスペルギルス・オリゼーというカビの一種なのですが、その働きによって食材の栄養素が増えたり、美味しくなったりする。思い通りにいかないこともありますが、その予測不可能なところも含めて神秘的で魅力を感じます」

この一皿に「発酵」の恵みが満載!

美味しさと健康の両立、化学的に発酵の効果が解き明かされるずっと前から、庄内地域には発酵文化が身近にありました。

食べ物をさらに美味しくし、栄養素を増やしてくれる発酵は「食材に新しい価値を与える技術」と語ってくれた三木さん。

庄内発酵堂の体に良くて美味しい料理を通じて、「発酵の魅力」ぜひ体感してみてください。

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庄内発酵堂

庄内町余目沢田140-4

この記事を書いたヒト
エンドウ ジュン
ライター/カメラ:酒田在住。
庄内の美味しい食べ物をこよなく愛しています。
故にダイエット中ですが結果は出ていません。
この記事を書いたヒト
石澤 マナカ
デザイナー/ライター:純度100%の鶴岡市民
「何事も見て・やってみる」がモットーです。
民芸品や立体造形に興味があります。
この記事を書いたヒト
長澤 久美
ライター:酒田在住の一児の母、子育て奮闘中
大食いなのでいろんなお店へ通っています。
いろんな人の話を聞くのが好きです。
この記事を書いたヒト
庄司 あやの
デザイナー/ライター:生粋の酒田っ子。
食べることが大好きなため食事制限を諦め運動中。
自然と動物に毎日夢中。
この記事を書いたヒト
佐藤 太一
ライター/カメラ:3年前に仙台から移住。
住居の目の前がお墓で夜が少し怖い。
ビジネスホテルでお湯を沸かすのが好き。
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