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「印染」で地域と密着し続けてきた「斎藤染工場」。三代目である満さんが「斎染ブランド」に託す思いとは。
August 16, 2025
染め体験は終わりましたが、「印染や斎染さんのことをもっと知りたい!」と思った私。体験後に詳しくお話をお聞きました。
そもそも印染の特徴とは、家紋や屋号、今で言う会社のロゴなどを、大きく遠くから見ても分かるように大きく染め上げること。文字通り「印」として染め上げたものです。
もともと、戦いの場で敵味方を識別する「目印」や屋号・家紋を示すための「印」を、旗やのぼりに染めたのが「印染」の始まりとされています。
…モッシェドのロゴを染めたのも、本来の意味での印染ということになりますね…!
「遠くから見てもパキッと、これは誰の屋号・マークかというのが分かるのが印染の醍醐味ですし、裏から見ても分かるように、裏表がしっかり染まっているところにこだわりを持っています。」
斎藤染工場は創業は1926 年創業。
初代である満さんのお祖父様が経営してた頃は、無地の染めが多かったが、それだと頭打ちだろうというので印染を始めたそう。
酒田は港町のため、2 代目の頃には大漁旗が最盛期だったが、今はだいぶ減ってしまったとのこと。
「やっぱりその時代時代によって需要の違いはあったと思います。その時に応じて提供する商品も違ったんじゃないかな。」
時代の潮流も汲みながら営む難しさがあるようです。
そして、現在は…
「そして現在はのれんや旗、袢天だけでなく、地元のデザイナーさんとのコラボにこだわっています。」と話す満さん。
酒田にちなんだ可愛らしいデザインの手拭いや風呂敷が、「斎染ブランド」としてお店に並んでいます。
昔から地元に密着してきた斎藤染工場は、2008年に新たな地元との関わり方として「斎染ブランド」を始めました。
斎染ブランド誕生のきっかけとして、とあるデザイナーさんとの出会いがあったという。
鍵盤柄が目を惹く、ピアノ好きにはたまらないデザインの手拭い。思わず指も踊り出しそうに…。
斎染ブランドを始めたきっかけは、ピアノ柄のデザインをした久松さんとお会いしたのがきっかけだそう。
ホームページ作成依頼のためにかけた電話で久松さんと染め物の話で盛り上がり、そこで初めて手拭いのデザインを依頼したそうです。
「その時に、『斎藤染工場って言いづらいじゃないですか、ギュッと縮めてサイゾメさんって言われた方が親しみも出るんじゃないか』って薦めてもらいました。」
斎染さんにとって、久松さんはまさに「生みの親」的存在なんですね…!!
それ以来、商品数も増え、多種多様に展開している斎染ブランド。旗やのれん同様、遠くから見ても目立つ柄と色合いに思わず目を奪われます。酒田にちなんだ染め物も多く、より一層「特別感」が増します。
印染に対する満さんの信念は、斎染ブランドにも色濃く受け継がれているということが伝わります!
「デザイナーさんのカラーを最大限に活かしたものを作れるよう心がけています。」
コラボをする以上は、デザイナーさんの個性や作り方も尊重しつつ、それをどう染め物に落とし込むか話しながら制作をしているそう。
ブランドを確立してからは、依頼されたものだけではなく、酒田・庄内のものも発信して作っていく形に。
その中でも、お客さんがアプローチしやすい、手ぬぐいや風呂敷など、生活に馴染んだものの染めに力を注いでいるとのこと。
「斎染ブランドを軸にしてさらに進めていきたい」と語る満さんの声から、酒田で染め物屋を営んでいく責任感と、ブランドに対する真っ直ぐな気持ちを強く感じました。
お話を聞いていて、酒田という土地で身の回りの人や生き物を大事にしながら、染め物を製作するご夫妻の「心の豊かさ」がひしひしと伝わります。
お人柄を知ることでより制作されてる染め物の奥深さも感じることができました!
お気に入りの柄で、お気に入りの使い方や味わい方ができる「染め物」の世界、皆さんも覗いて見てはいかが?
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